過酷事故を生じた原子炉の廃止措置を推進する上で、燃料棒や制御棒、構造材料などの原子炉材料が溶融固化した“燃料デブリ”に関する研究を進めることは重要である。本研究テーマでは、ステンレス鋼、炭化ホウ素(B4C)、金属ジルコニウムを主成分とする「金属系燃料デブリ」中の高濃度ホウ素に着目し、金属系燃料デブリに適用可能な汎用ホウ素濃度定量法について検討した。 未だ燃料デブリの正体は明らかとなっていないが、その性状が本研究で想定していた試料と近ければ、本研究で提案した手法を適用することで、金属系燃料デブリ中のホウ素濃度を、汎用的な分析手法を用いて定量できる可能性を示唆することができた。
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