研究課題/領域番号 |
20K15211
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
堀口 直樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (20808331)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 非接触微粒子操作 / 3次元可視化計測 / 気液界面 / 微粒子挙動 / 過酷事故 |
研究実績の概要 |
軽水炉過酷事故に伴う放射性微粒子の拡散を抑制させるため、プール中に発生させた気泡による微粒子の捕集効果が想定されている。捕集時気液界面に到達した微粒子は瞬時に液相中に移行するという仮定のもと解析的研究が行われているが、近年の可視化実験において気液界面上に不溶性微粒子が堆積し液相に移行しない様子が観察され、仮定が成り立たないこと明らかとなりつつある。微粒子の捕集量を過大評価する可能性があり、仮定の見直しと物理モデルの構築が必要である。 本研究は、単一ナノ・マイクロ微粒子の非接触操作と3次元可視化計測により気液界面における微粒子挙動を明らかにし、微粒子挙動を適切に評価するための物理モデルを構築することを目的とする。このような物理モデルの構築にあたっては、微粒子の精密な操作、微粒子に働く力の制御及び計測、気液界面上での微粒子挙動の詳細観察が必要である。本研究では、近年の光学技術の向上により可能となった、レーザーマニピュレーション技術を用いた単一微粒子の精密な操作技術を拡張し、気液界面上の単一及び堆積した微粒子を非接触での直接操作や微粒子に働く外力の同時計測を可能とする。また、顕微鏡レンズと高速度ビデオカメラの組み合わせによる液滴挙動の可視化技術や気液界面への微粒子付着挙動の可視化技術を組み合わせるとともに3次元計測に発展させ、気液界面上での微粒子挙動の詳細観察を行う。 2年度目(令和3年度)は、導入したレーザーマニピュレーション装置に対して微粒子に働く力の計測や可視化のための改良を継続実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度(令和2年度)に引き続いて装置の改良を実施したが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた、サプライチェーンの混乱により、購入を予定していた物品の納品に想定以上の時間を要したこと及び所属研究機関の新型コロナウイルス感染症の感染対策方針による自宅待機が発生したこと等により、当初計画に比べて、本研究課題に従事する時間を十分に取ることができなかったことから遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目(令和3年度)において、レーザーマニピュレーション装置における微粒子に働く力の計測や3次元可視化の機能追加を実施し装置改良の目途が立ったことから、3年度目(令和4年度)において、本研究課題に従事する時間数を増やすことで装置改良の達成を図り、実験及びモデルの構築を加速することができる様に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の支出計画を変更し、実験に使用する消耗品の購入と成果発表を次年度(令和4年度)に行うこととしたため、次年度使用額が生じることとなった。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、実験に使用する消耗品の購入及び成果発表のための学会参加に係る費用として使用する。
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