本研究の目的は、回転照射法用の中性子検出器として、新たに水チェレンコフ中性子検出器(WCND: Water Cherenkov Neutron Detector)の開発を行うことで、非常に低コストかつ可搬性のある核物質非破壊測定システムを実現することである。最大のボトルネックとなるガンマ線との弁別には、波高弁別法を採用した。結果として、主要なバックグラウンドとなる2.223 MeVガンマ線を十分に抑制した上で、従来のHe-3検出器に対して、高感度(4倍以上)かつ低コスト(1/15以下)な中性子検出を実証した。回転照射装置と組み合わせた実験により、グラム量の核物質の現場検知も実証した。
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