分子がどのくらいの時間をかけて蛍光を放出するかを調べる蛍光寿命測定は、分子近傍の局所環境に関する情報を与えるユニークな手法である。蛍光寿命測定では分子を決まったタイミングで光励起する必要があるため、光源としては通常、パルスレーザーが用いられる。これに対して本研究では、量子もつれ光における光子間の時間相関を活用することでも同様の測定が可能なのではないかという着想に基づき、量子もつれ光を光源とする新しい蛍光寿命測定装置の開発を行なった。開発した装置を用いることで、本研究で提唱した新しい測定原理に基づき、蛍光寿命測定、更にはその応用である蛍光寿命イメージングが可能であることを実証した。
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