研究課題
若手研究
本研究は,「炭化水素分子ベアリングの固体内テラヘルツ回転と物性開拓」と題し,固体内における分子の超高速回転と,回転によりもたらされる物性や機能を明らかにすることを目指した.本研究では,筒状分子とナノダイヤモンド分子の組み合わせからなる分子設計により,従来よりも高速の固体内回転を可能とする新たな分子ベアリングを開発した.この分子ベアリングは固体内慣性回転を示し,その回転周波数は1テラヘルツを超えることを証明した.新奇な固体物性の発現に繋がる成果である.
物理有機化学
分子運動は固体材料の物性と深く関係する.本研究で実現した「固体内慣性回転」や「固体内テラヘルツ回転」は過去に例のない現象であり,将来社会でも活用されうる有用な物性・機能を持つ材料の開発に繋がる.また,本研究で見出した分子性のハイブリッド型ナノカーボンピーポッドについての知見は,ナノカーボンの科学の分野にも波及効果を及ぼすものであり,広い分野に渡り学術的にも意義深いものである.