研究成果の概要 |
本研究では、固体中分子運動と無水プロトン (H+)伝導度の関係を解明すべく、分子性イミダゾリウム (ImH+)塩単結晶を合成し、異方性を含めた無水H+伝導度と分子運動評価による伝導機構調査を行った。その結果、目標値である0.01 S/cmの伝導度は実現できなかったものの、ImH+の回転運動による伝導機構を複数の系で明らかにし、3次元的な回転運動を示す系では0.001 S/cm超の最高伝導度を実現した。一方で、ImH+を1,2,3-トリアゾリウムに置き換えた系では、H+互変異性による低障壁かつ0.001 S/cm超の高伝導性が見出され、分子運動に代わる新たな伝導機構への展開の可能性が示された。
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