樹状高分子であるデンドリマーおよびデンドリマーを配位子とした多核錯体は一般に複雑な立体構造を持つため結晶化が困難であり、構造解析手法が確立していない問題があった。本研究では、金属原子を1原子レベルで精密に観察できる電子顕微鏡観察法と理論計算に基づくシミュレーション画像を組み合わせることで、観察された電子顕微鏡像に合致する多核錯体の立体構造を決定する手法を開発することができた。 本研究成果は、これまでは困難だった非晶質配位高分子の立体構造解析が可能になった点で大きな学術的意義を持つ。さらに、配位高分子の構造-機能相関を解明や新しい配位子高分子材料の開発につながる可能性を持っている。
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