研究課題
キラル液晶はらせん状に捻れた分子配向を自発的に形成するため,らせん軸の方向が制御できれば,優れた光学機能を示す材料が実現できる。本研究では,キラル液晶における分子配向制御法を開拓するとともに,外部刺激応答して光学機能が調整可能なチューナブル光学素子を創製することを目的とする。具体的には,(i) 高分子濃度勾配を利用したらせん軸制御について検討し,(ii) らせん軸配向制御された高分子フィルムの作製および(iii) 力学刺激に対する光学機能応答の解析に取り組んだ。高分子濃度勾配に従って連続的に液晶相転移温度が変化し,その段階的な相転移がらせん軸方向を制御する一要因であることが明らかとなった。そこで,本年度は,光重合時における露光パターンを制御することで,2次元的にらせん軸方向を制御することで,らせん軸配向のパターニングを行なった。円状の光を照射することで,同心円上にらせん軸が配向することを明らかにした。さらに,重合に使用する材料の分子構造や組成を最適化することで,液晶エラストマーの合成にも成功した。液晶エラストマーは,材料形状と分子配向に強い相関を有するため,力学刺激印加により材料形状のみならず分子配向も変化する。らせん軸配向性液晶エラストマーに力学刺激を印加したところ,力学刺激に応答して分子配向に基づく光学機能が可逆的に変化することを確かめた。また材料形状の応答性を制御することで,光学機能の応答性も制御できることがわかった。本技術により,応答性が制御されたチューナブルな反射光学素子や回折光学素子の創製に成功した。
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