触媒を用いた変換反応は、単純な有機反応では実現できない高難度変換反応を具現化し、それによって従来利用が困難であった資源の利用や化学反応の省エネルギー化に貢献することができる。本研究で得られた成果は、石油代替資源として注目されているリグニンに豊富に含まれる不活性なC-O結合を温和に活性化する手法であり、さらに発展させることで未来のエネルギー問題の解決に貢献できる成果といえる。また、本研究で見出した協働作用触媒の雛形となる配位子系は、上記の様な高難度反応を達成する協働作用触媒への応用が期待できることから、学術的のみならず社会への貢献も期待できる成果である。
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