本研究課題では、多配座解析ライブラリACCeLを開発し、それを複雑分子反応の遷移状態解析へ展開した。ACCeLの応用範囲は多岐にわたり、研究開始当初想定していた反応性予測以外にも、新規天然物のスペクトル計算などにも応用可能であった。研究期間全体を通じて、天然物合成における反応機構解析に関する論文やDFT計算に基づく新規天然物の構造推定に関する論文を複数報告した。特に反応機構解析では、これまで十分に着目されてこなかった、遷移状態における配座多様性に関する議論を展開できた。また最近、ACCeLによる反応性予測プログラムを反応基質設計に利用することで、天然物の全合成を達成した。
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