有機ホウ素由来の熱活性化遅延蛍光分子(DABNA)の光レドックス触媒への応用を検討した。まず,位置選択的one-shotホウ素化反応により種々のDABNA類縁体の合成に成功した。これらを光レドックス触媒として用いて,ハロゲン化アリールの脱ハロゲン化反応の検討を行った。青色LED照射下,塩化アリールに対して触媒量のDABNA類縁体を作用させたところ,脱塩素化体を中程度の収率で得ることに成功した。また,窒素の代わりに酸素を有するDOBNAを光触媒として用いて,芳香族ニトロ化合物の還元的環化反応を行ったところ,室温でカルバゾールを良好な収率で得ることに成功した。
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