研究課題
Rfの同族元素のZr及びHfの臭化水素酸系のイオン交換及びUV-visスペクトルの測定を行い、陽イオン交換挙動とUV-visスペクトルの変化の関連性が見られたものの、臭化水素酸系でのRfのイオン交換の研究が難しそうであることがわかった。一方で、Rfの比較となるZrとHfのイオン交換挙動と化学種の変化の様子を調べる手法開発は、今後のRfの化学研究に必要不可欠であるため、同族元素のZrとHfの臭化物錯形成の研究は進めている。その中で、同族元素のZrとHfの化学種情報を調べる手法を開発するため、これまでに実験を行ってきたZrとHfの塩酸及び硫酸系の溶媒抽出とESI-MSスペクトルの測定により、ZrとHfの化学種の同定手法の開発を行った。その結果、これまでに報告のあるZr及びHfの化学種情報が得られ、溶媒抽出と質量分析の組み合わせにより、ZrとHfの候補化学種の推定の道筋がたった。このような中で、過去に行ったRf及び同族元素のZrとHf、擬似同族元素のThの硫酸系の陰イオン交換挙動を再評価することとなった。ZrとHfについては、ESI-MSスペクトルとトリオクチルアミンによる溶媒抽出の結果を基に、硫酸中での溶存化学種の候補を推定することができた。今後さらなる分析を行うことで、硫酸中でのZrとHfの化学種同定につなげることができると考えている。また、RfとZr、Hf、Thの陰イオン交換挙動の比較により、Rfの硫酸錯形成についてさらなる考察を行うことができる可能性が見えてきた。
3: やや遅れている
転職に伴い、研究環境及び業務内容が変化した。このため、Rfとの比較のための同族元素のZrとHfの臭化物錯形成を調べるための研究方法を考案するため、これまでに実験を行ってきた塩酸及び硫酸系の実験結果のマススペクトルの取得と溶媒抽出挙動から、マススペクトルと溶媒抽出の組み合わせによる化学種同定手法の検討を進めるにとどまった。
Rfの臭化水素酸系の研究は現段階で困難が予想される。そこで、同族元素のZrとHfの臭化物錯形成の詳細検討を目指し、研究を進める。また、本研究の派生研究により、Rfの硫酸錯形成に関する議論が深まったため、そちらの内容について学術論文執筆を行っていく予定である。
コロナ下及び転職により、研究計画が大幅にずれてしまった。今年度は、この遅れを取り戻そうと研究を進める予定であるため、昨年度までに購入できなかった物品を購入し、研究を進展させる予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (1件)
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