研究成果の概要 |
5-ヒドロキシメチルフルフラール (HMF)から2,5-ジホルミルフラン(DFF), さらにフラン-2,5-ジカルボン酸 (FDCA)への選択的酸化反応はバイオマス有効利用の課題である. 特にHMFのDFFへの選択的光酸化に焦点を当てた. 通常HMFからDFFへの酸化には高温が必要であるが, Auナノ粒子担持/斜方晶系相Nb2O5 (Nb2O5-T)は, 室温でのHMFからDFFへの光酸化に非常に高い選択性 (92%) を示した. さらにAu/Nb2O5-Tは塩基条件下での光照射により, HMFからFDCAへの高い酸化活性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
如何に少ない投入エネルギーでバイオマスから高付加価値材料への変換を実現するかという技術的・学術的な問いは, 持続可能な社会の実現のために避けて通れない重要な課題である. AuとNb2O5の光触媒作用を利用した触媒の高機能化によって, バイオマスから高機能プラスチック原料FDCAの製造がより高効率・低環境負荷で可能となれば, 持続可能な社会の実現に大きく寄与できる. 今後はNb2O5で得られた知見を基に種々のAu/MOxに展開することで, これまで困難であった選択的反応を実現し, Au/MOx光触媒特性の有用性を示すことができる.
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