現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の目的は、自身が開発した非天然オリゴアミノ糖鎖にポリオキサゾリン由来の機能を付与することである。しかし、令和2年度はCOVID-19の深刻な状況のために、研究計画が大幅に遅れてしまうことになった。さらに、研究課題の採択が決定する直前、所属研究機関を異動することが重なり、当初の計画が大きく遅延してしまった。 実験開始後、まず生体材料として応用可能かどうかを調べるために、生体毒性評価に必要な実験技術の習得を行った。異動先のプロジェクトで合成したポリマーを用いて、生体毒性評価などの練習実験を行った。血球評価(白血球、赤血球、血小板)や生化学検査(ALT, AST, BUN, CRE)により毒性評価を行うのに必要な技術を習得した。 次に、前研究課題で合成した非天然オリゴアミノ糖の細胞毒性評価を行った。96穴ウェルの各ウェルに5000個の細胞を播種し、24時間前培養した。その後、培地をポリマーを溶かした培地に交換し、さらに24時間培養を行った([polymer] = 0.01, 0.1, 1.0, 10 mg/mL in DMEM)。その後、WSTアッセイを用いて吸光度測定により毒性評価を行った(反応時間 = 2 h, 37 oC)。その結果、ポリマーの濃度依存性は見られず、いずれの濃度においても細胞は高い生存率を保っており、自身が開発した非天然オリゴアミノ糖は、細胞毒性が低いことを明らかにした。 最後に、新しい単糖モノマーの合成検討を開始した。まだ、新規モノマーの単離には至っていないが、引き続き2021年度も検討を続けていく予定である。
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