現在のフレキシブルデバイス開発のアプローチは,湾曲に伴うひずみに追従する高伸縮な物質材料の開発と薄型化によるひずみ軽減の2つに大きく分類される。本研究では,湾曲によって生じる内部ひずみの定量解析に着目し,ひずみの分布を明らかにした。さらに,湾曲に伴う中立面の移動を追跡することで,ひずみ分布に応じた性能劣化しないフィルムデバイスの創製に成功した。このように,内部ひずみの実測に基づく高耐久フィルムデバイス開発は,学術的にも意義深い。内部のひずみ分布から中立面の移動挙動を詳細に理解し,高性能フィルムデバイスを設計できれば,エレクトロニクスのみならずソフトロボティクス,生体材料への波及効果も大きい。
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