研究課題/領域番号 |
20K15346
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大澤 重仁 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 助教 (30780663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 白金錯体 / 亜鉛錯体 / DNA / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
ジピコリルアミン基(DPA) を持つアクリレートモノマー(DPAAc) を合成し、DPA 部分を白金錯体化したモノマー(DPAPt(II)Ac) 、亜鉛錯体化したモノマー(DPAPt(II)Ac)を調製した。これらを様々な比率で混合し、ポリエチレングリコール(PEG) を持つマクロRAFT 剤を用いてランダム共重合することで、様々な共重合比を持つPEG-b-p(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) を得た。得られた高分子の臨界ミセル濃度を検討したところ、どれも5 mg/mL 以上の値を取っていたため、本研究の大きな目標である少ない白金量でのマテリアル設計コンセプトに合致しないため、方針転換の必要性を感じた。 より少ない白金量、ポリマー濃度での粒子形成を実現するため、DPAPt(II) とDPAZn(II) がDNA と相互作用することに着目し、プラスミドDNA (pDNA) に対してPEG-b-p(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) のランダム共重合体を会合させて粒子化することを考えた。6000 塩基対程度のpDNA に対して合成したPEG-b-p(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) それぞれを、DNA 塩基/金属錯体の化学量論比が1/1、金属濃度が約0.1 mg/mL となるよう混合したところ、動的光散乱測定からどれも100 nm 以下の単分散な粒子となった。今後はここで得られた粒子を水素化ホウ素ナトリウムで還元し、白金ー亜鉛ナノ粒子とすることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おそらくp(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) 部分の親水性が高いため、当初の計画の材料であるPEG-b-p(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) の臨界ミセル濃度が高く(すなわちこの状態で金属イオンを還元すると、粒子化していない多くの高分子金属錯体成分の還元も生じてしまいコンセプト通りの材料設計が困難である)、高分子低濃度での粒子化が困難であったため、別手法の創出、選択が余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
pDNAを鋳型として効率的にPEG-b-p(DPAZn(II)Ac-ran-DPAPt(II)Ac) を含む粒子を作ることに成功したので、ここで得られた粒子を水素化ホウ素ナトリウムで還元し、金属ナノ粒子とすることを目指す。得られた金属ナノ粒子の酸化還元活性や活性酸素種消去能を調べ、細胞に対する酸化ストレス軽減作用を調べる。また、DPAZn(II) 部位はリン酸基との配位結合でpDNA と会合していると考えられるため、より安価かつ生体内で分解されやすいポリリン酸を用いて粒子化することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
材料設計上、方針転換を余儀なくされ、研究の進行が遅れたため。繰越分の使用用途は、白金錯体の購入、また方針転換により必要となったDNA の合成用試薬の購入に充てる。
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