研究課題
若手研究
近年,我々は単分子で恰も強誘電体の様に振る舞う分子「単分子誘電体」の開発に成功した。この物性は,プレイスラー型ポリオキソメタレートと呼ばれる籠型の分子で発見され,外部電場の印可により分子内のイオン移動を誘起することで,分子分極を反転させ,強誘電体の様に振る舞う。本研究では,「単分子誘電体」を用いた単分子デバイスの実用化を目指し,これらを実装したデバイスの作製検討を行うことで,成膜方法の確立,および,基礎特性の解明に成功した。
機能物性化学
近年,IoT産業やAIの目まぐるしい発展が進んでおり,それらビッグデータを記録する不揮発性メモリの需要は日々高まっている。この様な背景の中,我々が開発した「単分子誘電体」は分子一つ一つに情報を書き込むことができるため,従来の材用ではなしえない,超高密度不揮発性メモリの開発が期待されている。本プロジェクトは,新規物性をベースにしたデバイス開発という学術面の意義に留まらず,高性能不揮発性メモリの開発が求められている社会に貢献するものであると考えている。