研究課題
若手研究
リチウム空気電池は既存のリチウムイオン電池の2~5倍のエネルギー密度を可能にすることから、次世代蓄電池の最有力候補である。しかしながら、充電時の正極反応過電圧が高いことや出力密度が低いことが、リチウム空気電池の実用化への最大の課題となっている。本研究の目的では、硝酸イオンレッドクスの電気化学反応挙動に着目することで、上記の電池性能の課題解決に対する方策を明らかにした。具体的には、硝酸イオン/アミド溶媒/フッ素溶媒の混合電解液系に着目し、リチウム空気電池の酸素正極・リチウム負極の双方において高い反応可逆性を実現する電解液の開発に成功した。
電気化学
今回開発した硝酸イオン/アミド溶媒/フッ素溶媒の混合電解液系を用いることで、リチウム空気電池の酸素正極・リチウム負極の双方において高い反応可逆性での反応進行が可能となることが明らかとなった。その結果、1mA/cm2, 2mAh/cm2という非常に高い電流密度・面積容量の条件において、リチウム空気電池の充放電反応の作動に成功した。今回提示した電解液開発実施例は、今後の材料開発において、大きな指針となるものであり、リチウム空気電池の早期実用化に大きく寄与するものである。