研究課題
本年度は、(1)層状化合物であるCu-Alを含む層状複水酸化物(Cu-Al/LDH)からなる電気化学的二酸化炭素還元反応(CO2RR)触媒の開発及び、Cu-Al/LDHへのAg担持によるCO2RR活性変化の影響の検討、(2)Fe-Nを共ドープした炭素材料のNO検出反応への展開、(3)関連研究として三元系合金であるホイスラー合金材料のCO2RR触媒への展開に取り組んだ。(1)に関して、合成する溶液のpH及び温度を適切に制御することで、種々の組成及びサイズの異なるCu-Al/LDHの合成に成功した。CO2RR活性を評価し、シートのサイズがCO2RRの選択性を決定する一つの主要因であることを明らかにした。また、Agナノ粒子のCu-Al/LDHへの担持によりエチレンの生成量が増加することを見出した。これは、Agナノ粒子によりエチレン生成の重要な中間体であるCOの生成量が増加したためであると考えられる。(2)に関して、Fe-N錯体をドープした炭素材料の電気化学的NO検出能を評価した所、Fe-Nを共ドープしたものは、Nのみ、もしくはノンドープのサンプルと比較して優位に高いNO検出能を示した。Fe-N構造を有する錯体(例えばFeポルフィリン)は高いNO検出活性を有することから、これはカーボンにどーぷされたFe-N構造がNO検出に重要な役割を果たしていることを示唆している。(3)に関連して、ホイスラー合金触媒をCO2RR触媒として初めて展開し、Ni2MnSnはCO2RR活性をほとんど示さないのに対し、Ni2MnInはCO2RRにより主生成物としてギ酸を生成することを明らかにした。
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