研究成果の概要 |
リチウムイオン電池 (LIB) はその優れた特性から電気自動車の搭載用途として研究開発が行われている. LIBを電気自動車に利用する際に, インピーダンス測定から得られる各抵抗成分の律速過程を(微視的に)理解することが急速な充放電を実現するために必要となる. 本研究課題では主にグラファイト電極中のLi拡散に伴う反応機構(構造変化)を扱い, 高ステージLi挿入グラファイトの熱力学的な安定性の解析を第一原理計算で見積られる自由エネルギーから議論した. 結果としてLiC18組成における最安定状態, グラファイトの積層構造転移組成をオペランド放射光X線回折の実験結果と比較し良く整合することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Li挿入に伴うグラファイトのステージ構造変化はLiイオン電池研究の初期から行われている古典的なテーマであるが, 本研究課題はより高ステージの構造変化を扱った. 結果第一原理計算の精密な自由エネルギーで実験の多くを説明することが出来, 第一原理自由エネルギー解析の有効性を示した. 今後はより解析を進めることで, グラファイト内のLi拡散経路の精査から急速な充放電実現のための知見が得られると期待される.
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