NaI-NaBH4-LiI系固溶体におけるLi+伝導度を向上させるため、①不純物を含まない単相試料の合成、②Ca2+ドープによるカチオン空孔導入を行った。この試料は合成時に副反応でLiBH4が生成し、これがLi+伝導を阻害する。合成温度や圧力を変化させ、最適な合成条件を調べた結果、低温高圧下ではLiBH4が減少することが分かった。Ca2+ドープは、Li+伝導度向上への影響が少なく、Ca2+ドープ試料をLi金属で挟み数日間放置すると、電池が短絡することが分かった。従ってNaI-NaBH4-LiI系固体電解質の伝導度向上は、ボールミリングのような化学修飾を行わない手法が効果的であることが分かった。
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