本研究における最大のオリジナリティーは、静的な理論計算による新規マグネシウム二次電池正極材料の設計を行い、充放電過程における詳細なMgイオンの伝導経路メカニズムおよびイオン挿入量を解明する点である。特に、最先端のPDF解析や結晶構造解析を駆使した局所構造の解析も行うことで、リアリティーのある材料設計が可能である。理論計算で設計した新規材料を実際に合成し電池特性の測定を行い、そのデータを更に理論計算に還元し、置換種の再検討を行うことで、より電池特性が向上する系の設計を行う研究サイクルを形成でき、高い機能を備えた新規のマグネシウム二次電池正極材料を効率よく行うことができるという大きな意義をもつ。
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