低環境負荷型の物質変換技術である酵素カスケードに合成触媒を統合できれば、合成可能な分子の種類が増大する。しかし、合成触媒と生体触媒では反応条件が異なることが多い。本研究では、酵素反応と同様の条件下で動作する合成触媒とその反応生成物によって駆動する酵素を組み合わせることで、犠牲試薬や補酵素を必要としないカスケード反応を構築する。 初年度はスクリーニングによって見出した本研究に対して有望だと考えられる錯体を合成し、第二年度には既報を参考にして改変ヘムタンパク質を調製した。これらを用いてカスケード反応を検討したところ、わずかではあるが、最終生成物に由来すると考えられる吸収変化が見られた。
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