研究課題
若手研究
本若手研究では、人工ジペプチド誘導体の液液相分離から形成されるコアセルベートを反応場とする前生命環境でも実現しうる生体関連反応の開発を行なった。フェニルアラニン連続配列を鍵とするコアセルベート形成のためのモノマーを合成した。コアセルベート内部において、前生命環境でも生成可能と考えられているアミノ酸活性体を利用しペプチド合成を促進させることに成功した。さらにコアセルベートが持つ反応性を利用して、時間変動する刺激によって分化するシステムを開発した。
超分子化学
生命の起源を明らかとすることは、科学にとって重要な問題の一つである。本研究では、生命の起源研究で未解明である生体関連高分子の形成メカニズムを明らかにするためのアイデアを提供できると期待される。また時間変動する刺激に応答する人工超分子は今まで開発されていなかった。今後本研究の成果を発展させることで、生命の起源・地球上の生命とは異なる形態の化学生命の開発に寄与できると期待される。