研究課題
若手研究
本研究では、癌細胞に高発現するガングリオシドと呼ばれる糖脂質が形成する膜分子の集合体(脂質ラフト)に注目した。中でもラクト系ガングリオシドを標的とし、生細胞上でのガングリオシドの観察を可能とする蛍光プローブを化学合成により開発した。この蛍光プローブを用いた生細胞上での1分子イメージングにより、脂質ラフトの形成機構や機能の詳細を解明するために重要なガングリオシドの相互作用を明らかにした。
生物有機化学
本研究により、これまでは化学合成が困難であったガングリオシドの合成を簡便化し、ガングリオシドの蛍光プローブ開発を実現することができた。この蛍光プローブにより、これまでは機能が不明であり、癌の増殖・浸潤と関連の深いガングリオシドの生細胞上での挙動を初めて明らかにすることができた。本研究は癌の浸潤や増殖の機構の詳細な理解につながることが期待できる。