研究課題
若手研究
運動性細菌は自身の保有するセンサータンパク質によってさまざまな化合物を感知し、集積・逃避する走化性という性質を有する。本研究では、青枯病菌の保有する22種類の走化性センサーを対象として、何を感知し、いつ使われるのかに焦点を当て解析を行うことで、これまで機能解明されていた8つのセンサーの他に新たに3つのセンサー機能を解明し、さらに植物存在下で特異的に発現の向上するセンサーを特定した。この結果から、本細菌が22センサーの発現を制御し、植物感染時に特定の走化性を利用することが示唆された。
応用微生物学
青枯病菌は世界的に深刻な農作物被害をもたらしている植物病原細菌であり、現在有効な防除法の確立が求められている。そのような病原菌について、植物感染時の挙動を理解することは重要である。特に、植物体内に侵入した後の挙動についてはよく研究されているが、走化性のように感染に先立つ挙動についてあまり研究されておらず、“走化性”という視点での本病原菌の挙動の理解は新たな感染防除法の提案につながる可能性がある。