腸内ファージは腸内細菌叢と多様な相互作用をしていることが、環境ゲノム解析から明らかになりつつある。しかしながら、腸内環境において、実際にファージが宿主細菌とどのような相互作用をしているのかについては、多くが謎に包まれている。近年の研究により、腸内細菌が生産するメンブレンベシクル (MV) に、ファージの一種が内包されて伝播する可能性を見出した。そこで本研究では、腸内環境においてMVに内包されるファージが実際に存在するのか、どのような宿主細菌と相互作用するのかを解明する。さらに、MVが腸内ファージの感染能に与える影響を解き明かすことで、ファージと宿主細菌との新規相互作用様式の全容の解明を目指す。
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