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2023 年度 実績報告書

新規の増殖因子としての細胞外鉄イオウクラスターと微生物との相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15443
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

五十嵐 健輔  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90759945)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード環境微生物 / 生理活性物質 / 硫化鉄 / 鉄イオウクラスター / 分離培養 / 共培養
研究実績の概要

鉄イオウクラスターに結晶構造が類似している硫化鉱物(グライガイト)を添加した各種培地を調製し、種々の環境サンプル(中性からアルカリ性土壌、水田、堆肥、油層水、活性汚泥など)を微生物源とした集積培養を行った。特に独立栄養条件での培養では、グライガイト存在下で明瞭な増殖の促進が確認され、主に酢酸生成菌が優占化する多様な集積培養を複数取得できた。これら集積培養物を元に、グライガイトを添加した平板培地での分離実験を行い、主にFirmicutes門に属する多数の分離株を取得できた。これらの株の中には、特に独立栄養条件でグライガイトによる増殖促進を示すものも含まれ、更には既知の株と16S rRNA遺伝子ベースで比較的低い相同性(97%未満)を示すものも存在した。
これら単離株(主にFirmicutes門に属する株)を対象にして、他の微生物から供給された鉄イオウクラスターの利用能を評価する実験を新たに構築した。カルチャーコレクションから取得した多様な微生物株を用い、単離株との共培養、および培養上清の添加による増殖への影響を評価した。その結果、共培養条件では明瞭な増殖促進が観察されなかったものの、培養上清の添加条件では、特にいくつかのメタン菌の培養上清を用いた場合、微弱ながら促進効果が観察された。
増殖促進が見られた各種株に対して、特に鉄イオウタンパク質に着目した比較ゲノム解析を行った。しかしながら、明瞭な共通性を有した経路や遺伝子クラスターの同定には至らなかった。
上記の単離実験の過程でグライガイト依存性は見られないものの、単離培養が困難とされるVerrucomicrobiota門に属する新規株の取得に成功した。ゲノム解析および生理解析から新属・新種を提唱するに値する株である結果を取得し、現在、新属提唱にむけた記載論文の投稿準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Complete genome sequence of Opitutales bacterium strain ASA1, isolated from soil2024

    • 著者名/発表者名
      Islam Md. Samiul、Yamamoto Kyosuke、Morita Naoki、Yumoto Isao、Kato Souichiro、Nakai Ryosuke、Igarashi Kensuke
    • 雑誌名

      Microbiology Resource Announcements

      巻: 13 ページ: e01032-23

    • DOI

      10.1128/mra.01032-23

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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