研究課題
当初の研究計画では、【①ホスホプロテオミクス解析】により気孔の全タンパク質のリン酸化解析を行ったうえで【②電気生理測定】によりイオンチャネルとキナーゼの対応関係を割り出す予定であったが、ホスホプロテオミクス解析および【③】で記述した蛍光プローブの実用化が難航しており研究が遅れていた。しかしここまでの研究過程において、気孔のストレスシグナルの使い分けに重要と思われるアニオンチャネルSLAC1のアミノ酸残基が発覚したため、これらのアミノ酸残基へのリン酸化が気孔の挙動に与える影響を調査するべく、SLAC1の該当アミノ酸残基に疑似リン酸化・脱リン酸化変異を施した植物体を作製中である。また、これらのアミノ酸残基のリン酸化に必要なキナーゼの遺伝子欠損もSALK遺伝子研究所より注文し一通り取り揃えている。今後はこれらの植物体における気孔の挙動を調査することによりチャネルの各リン酸化部位とそれぞれが担う役割を割り出す予定である。さらに前年度、気孔のCa2+シグナルの種類によって応答する気孔のリン酸化モジュールが異なる可能性があることを報告した。これに関して、リン酸化モジュールとしてCBLをターゲットとし、気孔のCa2+シグナル誘起剤とCBLの対応関係を電気生理実験および精製CBLタンパク質と誘起剤の結合実験により見出すべく、実験の準備を進めている。
4: 遅れている
前述した通り、当初本研究はホスホプロテオミクス解析により気孔の全タンパク質のリン酸化解析を行ったうえで電気生理測定によりイオンチャネルとキナーゼの対応関係を割り出すという計画であったが、ホスホプロテオミクス解析および蛍光プローブの実用化が難航しており研究が遅れていた。そのため、これまでの研究過程で発見したSLAC1の重要アミノ酸残基と気孔の挙動の関係性を実際の植物体を用いた実験で明らかにするという方向に研究方針を大幅に転換している。これにより遺伝子組み換え植物体やCa2+シグナル誘起剤-CBL結合実験の実験系の立ち上げなど当初の計画になかった準備が新たに必要となった。
前述した通り、SLAC1の重要アミノ酸残基に疑似リン酸化・脱リン酸化変異を施した植物体を作製中である。現在遺伝子導入まで完了しており、抗生物質選抜により導入遺伝子のホモ接合型挿入を確認後実験に使用する。また、これらのアミノ酸残基のリン酸化に必要なキナーゼの遺伝子欠損もSALK遺伝子研究所より注文し一通り取り揃えており、今後はこれらの植物体における気孔の挙動を調査することによりチャネルの各リン酸化部位とそれぞれが担う役割を割り出す予定である。さらに、気孔のCa2+シグナル誘起剤とCBLの対応関係を電気生理実験および精製CBLタンパク質と誘起剤の結合実験により見出すべく、実験の準備を進めている。以上の実験により、SLAC1を中心とした気孔のCa2+/リン酸化シグナルにより気孔の挙動がどのように制御されているかを解き明かす予定である。
前述した通り、当初本研究はホスホプロテオミクス解析により気孔の全タンパク質のリン酸化解析を行ったうえで電気生理測定によりイオンチャネルとキナーゼの対応関係を割り出すという計画であったが、ホスホプロテオミクス解析および蛍光プローブの実用化が難航しており研究が遅れていた。そのため、これまでの研究過程で発見したSLAC1の重要アミノ酸残基と気孔の挙動の関係性を実際の植物体を用いた実験で明らかにするという方向に研究方針を大幅に転換した。これにより遺伝子組み換え植物体やCa2+シグナル誘起剤-CBL結合実験の実験系の立ち上げなど当初の計画になかった準備が新たに必要となり、それに伴い研究計画自体の延長も必要となった。
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Stress Biology
巻: 2 ページ: 52(1-11)
10.1007/s44154-022-00074-x