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2020 年度 実施状況報告書

近位尿細管上皮細胞の障害に対するイソチオシアネート類の効用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K15469
研究機関群馬パース大学

研究代表者

三浦 佑介  群馬パース大学, 保健科学部, 助教 (20848791)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードイソチオシアネート / 脂肪滴 / 酸化ストレス / 近位尿細管
研究実績の概要

食品中に含まれる成分であるイソチオシアネート類が、脂質の蓄積に由来する尿細管障害に対し有効かどうか、ヒト近位尿細管上皮細胞(HK-2)を用いて、invitroの実験を行った。細胞にはスルフォラファン、6-MSITC、アリルイソチオシアネート、フェニルイソチオシアネートの4種類のイソチオシアネートを添加し、構造の違いによる有効性の違いを確認した。はじめに、本研究で使用したHK-2細胞(ATCCより購入)に対する各イソチオシアネート類の細胞毒性試験を行った。IC50値は低いもので十数μMとなり、想定していたよりもHK-2細胞に対する毒性が強いことが確認された。また、脂肪酸添加による脂質の蓄積をイソチオシアネートが抑制するか検討した。しかしながら、いずれのイソチオシアネート類を添加した場合でも有効な結果は得られなかった。過去の報告で、イソチオシアネート類を含む食餌によってマウスの肥満が抑制されたことが報告されており、脂質の蓄積に対する有効性について、引き続き検討を進めている。さらに、抗酸化作用を解析するため、酸化剤(AAPH)を用いた細胞生存能試験、細胞内GSH濃度、および過酸化脂質の指標であるTBARSを測定した。結果として、スルフォラファンが最も良好な結果を示し、スルフォラファンと炭素鎖長のみが異なる構造の6-MSITCがそれに準ずる有効性を発揮した。現在、イソチオシアネート類がミトコンドリア機能の改善に有効かどうか、膜電位の変化、あるいはミトコンドリア関連タンパクの遺伝子発現量を含め、解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究の進捗が遅れた理由として次の2点があげられる。(1)ミトコンドリア機能の解析に用いることを予定していた市販のキットが販売中止となり、研究計画を一部再考する必要性が生じた。(2) 新型コロナウイルスに関連して、研究代表者の所属機関で不定期にPCR検査が実施されている。研究代表者も検査を担当していること、検査が実施される際に細胞実験に用いる安全キャビネットやPCR装置が使用できなくなることから研究の進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

当初計画されていたものの、昨年度にまったく行うことができなかった脂質・ミトコンドリア遺伝子発現の解析を中心に実験を行う予定である。所属機関のPCR装置が増設され、研究の遂行に対する支障が少なくなっている。

次年度使用額が生じた理由

研究計画に変更があり、購入予定の試薬が変わったため次年度使用額が生じた。繰り越金額に関しては、新たに必要となる試薬等の購入費とする予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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