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2020 年度 実施状況報告書

合成糖摂取により誘導される動脈硬化での脂質代謝の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K15481
研究機関神戸大学

研究代表者

森 健太  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00813073)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード異性化糖 / コレステロール引き抜き能 / HDL
研究実績の概要

果物由来の果糖(Fru)、工業的に生成される異性化糖(HFCS)、ゼロカロリーの甘味料(ASP)が、通常の糖であるブドウ糖(Glu)と比較してどのような健康被害をもたらすかを、臨床症例に負荷試験を行う。介入前後における通常の脂質異常や耐糖能障害における各種パラメーターを経時的に測定し、さらに血液検体によるコレステロール引き抜き能をはじめとするHDL機能の動脈硬化抑制作用の変化を検討した。ブドウ糖(Glu)(28人)、果糖(Fru)(28人)、異性化糖(HFCS)(28人)を用いる3群に加え、ゼロカロリー甘味料(ASP)(23人)を用いるコントロール群を設定。これらの合成糖・甘味料を1日3回飲料に混ぜて2週間摂取した。介入前後におけるHDL-C、LDL-C、TG、各種アポ蛋白などの脂質プロファイルの変化と介入群の差異を検討した。その結果、コントロール群(ASP)を基礎値として、コレステロール引き抜き能がFru群で一番低下しており、HFCS群、Glu群と続いた(Fru:-3.1±0.5%, HFCS:-2.6±0.3%, Glu:-1.5±0.4%, ASP:-0.9±1.7%)。また、すべてのサンプルにおいて、コレステロール引き抜き能の低下率と尿酸値の関係をみるとR=-0.27でP=0.006と有意な逆相関関係が確認された。これらにより、果糖、異性化糖、ブドウ糖の順に動脈硬化抑制作用を低下させることが判明し、尿酸値が高いほどその影響を及ぼしているという関連が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ハイボリュームにおける、オートマチックなシークエンス機器をもちいての解析を想定していたが、サンプルの抽出や、また機器利用においてさらなる調整が必要であることが判明した。また、今回の新型コロナウイルス関連による影響で、各業種間での連携を密にとることができず、計画に遅延が生じている。

今後の研究の推進方策

今後は、当院における研究室が開発した、ハイボリュームにおける、オートマチックなシークエンス機器での新たな手法を用いて、コレステロール引き抜き能の再検討を行う。また、尿酸代謝経路のカギとなるキサンチンオキシダーゼ活性の測定を行い、様々な糖質における動脈硬化抑制作用への影響の機序の解明を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画より2年間のスケジュールを立てていたため、次年度も使用額を申請した。

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公開日: 2021-12-27  

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