本研究はオレイン酸による筋細胞の筋線維タイプ制御機構を細胞ステージに着目して明らかにすることを目的とした。まず細胞試験で、オレイン酸は新生および成熟筋線維のいずれにおいても脂質代謝関連因子の発現量増加を促進するが、遅筋タイプマーカーMyHC1は新生筋線維のみで増加することを見出した。動物実験では、オレイン酸を豊富に含むオリーブオイル7%配合飼料をマウスに8週間摂取させた結果、骨格筋エネルギー基質である筋内脂肪の増加に伴うトレッドミル走行持久力の向上することを明らかにした。また、マウスに10%オレイン酸混合飼料を4週間摂取させた結果、MyHC1の発現量増加および走行持久力の向上が確認された。
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