研究課題/領域番号 |
20K15489
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
安藤 博彦 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80632885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 若年性心筋梗塞 / 心肺停止 |
研究実績の概要 |
前年度に単施設における若年性心筋梗塞の背景因子、初期症状、院内予後を検討し、論文報告をおこなった。その際浮かび上がってきた課題として、単施設ゆえに選択バイアスの可能性や、症例数が少ないことより偶発的な結果が生じた可能性が否定できないことであった。 そこで、本邦における若年性心筋梗塞の傾向を評価するため、日本心血管インターベンション学会(CVIT)が主導して情報収集している、J-PCI Registryのデータを使用して大規模な調査を行うことととした。毎年募集されているCVITのJ-PCI research proposalに応募し、若年性心筋梗塞をテーマにした研究内容を応募したところ、採択されたため、2021年より解析を開始した。ビッグデータを用いて約21万人の心筋梗塞患者を解析した結果、若年性心筋梗塞患者は高齢心筋梗塞患者と比較して、一般的な冠動脈疾患のリスクファクターを有する頻度が低いにも関わらず、心筋梗塞発症時に心肺停止を呈する頻度が高いことが分かった。この所見から、若年者ではより積極的に心筋梗塞の一次予防を推進していく必要性があることが分かった。現在では解析結果を論文化し、国際誌であるJACC Asiaに投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
CVITのresearch proposalに応募したところ、採択されたことで、非常に大規模な日本人のデータベースを使用した解析を行うことができた。発症頻度が低い若年性心筋梗塞を解析する上で、ビッグデータを用いることができたのは非常に大きな進展をもたらした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き英語論文の投稿作業を継続していく。またその中で見つかってきた課題として、心筋梗塞を発症した若年者のみを対象にしており、発症しなかった健常者との違いを見出せていない。若年性心筋梗塞の予防法確立のためには、健常者の解析も今後必要と考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ蔓延により、関連学会の開催が中止やWEB開催に切り替わったことにより、学会関連費の使用が予定より減少した。一方で次年度はこれまでの研究成果の学会報告、論文投稿に予定よりも多くの費用が生じることが予想される。
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