本研究では、トリプシン処理された卵白由来リゾチームの分解断片の抗炎症作用に着目した。主にトリプシン処理リゾチームの分解断片中に含まれる3種類のオリゴペプチドについて検討した。その結果、すべてのオリゴペプチドにおいて炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-6の産生抑制がみられ、特に疎水性アミノ酸が多く含まれているオリゴペプチドにおいて特に抑制効果がみられた。マクロファージにおいて、リゾチームは細胞内部に取り込まれることが明らかになっていることから、リゾチーム由来のオリゴペプチドにおいても細胞内部に取り込まれた後に作用を示すことが示唆された。
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