作物における耐湿性は、収量性および収量安定性に直接影響することから作物育種において重要な課題となる。しかしながら、発芽時耐湿性は、発芽(生存)と未発芽(腐敗死)に分かれることに加え、土耕・水耕などを用いた発芽時耐湿性評価は、再現性を得ることが難しく、発芽時耐湿性の遺伝的制御機構の解明に向けた障壁となっていた。本課題では、畑作物種の中で発芽時の湿害に極めて弱いソバを用いて、これまで基礎的知見が不足していた抗菌活性に着目した発芽時耐湿性の評価を実施することで、抗菌活性と発芽時耐湿性および不定根形成との関連性を明らかにしたものであり、今後の遺伝的改良に向けた研究や栽培管理に活用可能と考えられる。
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