研究課題/領域番号 |
20K15517
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
落合 正樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80755827)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 花序形態 / DNAマーカー / 遺伝 |
研究実績の概要 |
今年度は交雑集団および園芸品種群における花序形態の追加調査および、両個体群における有望DNAマーカーの相対アレル数の評価を進めた。 交雑集団においては、これまで開花数が不十分であったF2およびBC1集団の個体の花序形態の調査を実施することで対象個体数を増やし、研究の精度の向上に努めた。一輪咲き性の親品種に戻し交配したBC1系統では一輪咲き性の親品種に近い形質の個体が多く、房咲き性の親品種に戻し交配したBC1系統では房咲き性の親品種に近い形質の個体が多くなること、F2系統では両親系統の中間的な形質の個体の割合が多くなることが改めて確認された。有望DNAマーカーのアレル数をリアルタイムPCRにより相対定量し、花序形態に関わる形質との相関をみたところ、供試個体数を増やしても保有するアレル数が多いほど花序の分枝数が多くなる傾向が維持されており、着目しているDNAマーカーと花序形態の関係性の強さが確かであることが確認された。 園芸品種群についても花序形態調査の対象個体数を増やすとともに、有望DNAマーカーのアレル数の定量を試みた。アレル数の定量試験では、交雑集団では認められなかった非特異的な増幅が多く確認され、PCR条件やプライマー配列の変更により改善を試みたが解決には至っていない。 また、ノイバラのゲノム情報の解析により、有望DNAマーカーが座上するコンティグが確認され、コンティグ上には8つの遺伝子と推定される配列が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り、交雑集団において花序形態の調査とDNAマーカーのアレル数の定量を遂行し、花序の分枝性とDNAマーカーのアレル数に相関が認められることを確認できた。 ただし、園芸品種においては、花序形態の調査については計画通り遂行できたが、DNAマーカーのアレル数の定量に手法上の課題が残った。
|
今後の研究の推進方策 |
着目しているDNAマーカーと花序形態の関係性の強さが認められたことから、交雑集団においては、有望DNAマーカーの近傍座上する8つの遺伝子のアレルについて確認を行う。また、園芸品種群については、有望DNAマーカーのアレル数の定量手法の最適化を図るとともに、有望DNAマーカーの近傍座上する8つの遺伝子の品種ごとのアレルについても確認を進める。
|