「昆虫翅」は昆虫進化で重要な新奇形質であるが,昆虫翅の獲得起源に関しては未解決の課題である.本申請課題では翅獲得以前の系統群であるシミ類に着目し,有翅昆虫の翅形成に関わる分子基盤の存在やその機能について追究した.本年度はvestigialやnubbinの遺伝子の機能を破壊することで,そのような形態変化が生じるかを確かめるために,CRISPR/Cas9を用いたノックアウト個体の作出を実施した.また,翅形成マスター遺伝子vestigial の発現を確認するために,VGタンパク質の抗体をマダラシミにおいて作製し,初期発生における発現パターンを調べた.
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