研究実績の概要 |
屋上菜園を含む、都市緑化に広く応用が期待される土壌改良材として、竹炭を用いた実験を2つ行った。1つ目の実験では、竹炭に期待される、保水効果や、作物の収量増加、そして連作障害の緩和効果を検証した。具体的には農地の土壌を採取し、竹炭の体積含有率(0,10,20,30,40%)と有機肥料の施肥量(100,200 Kg N ha-1)の異なる土壌サンプルを作成し、屋外で灌水と追肥を行わずにリーフレタスを2作連続で栽培した。その結果、竹炭を使用することに伴う収量の増加効果や連作障害緩和効果は見られなかったが、収量が最大となる竹炭の混入率を特定した。2つ目の実験では、ヒートアイランド現象の緩和を目的とし、竹炭が土壌の冷却効果に及ぼす影響を屋内実験により検証した。具体的には都市緑化に使われる雨水貯留用土壌、空地土壌、園芸用土、コイヤに竹炭を混入し(体積当たり0、20、40%)、14日間照明を照射した。水分特性、灌水後の体積含水率、蒸発量、土中温度、熱流量、残存水分量の測定から、冷却効果の大きさを比較した結果、混入対象ごとに、冷却効果を最大にする竹炭混入率を特定するための重要な知見が得られた。
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