研究課題/領域番号 |
20K15555
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中林 雅 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 助教 (70770858)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 種子散布 / テレメトリー / 大型種子 |
研究実績の概要 |
昨年度も調査地における新型コロナウイルスの流行が理由で、渡航ができなかった。国内での代替研究として、超小型テレメトリー発信機を国内の種子に装着して種子散布距離の推定を試みた。 本研究の調査地マレーシア・サバ州の協力研究者に連絡を取り、現地アシスタントを雇用して本研究を継続することが可能か打診した。しかし、協力研究者が所属する組織は人員不足にあり、本研究を代理で行う余裕がないと伺った。そのため、本研究に関する野外調査は昨年度も遂行できなかった。 海外渡航が困難であったので、国内での代替研究として、国内で大型の種子をつける植物のひとつ、カキノキの種子散布距離の推定方法を検証した。超小型テレメトリー発信機のアンテナが果実から突き出ないように長さを調整すると、電波を受信できなくなった。電波を受信できる長さにすると、カキノキの果実からはアンテナを突き出さざるを得なかった。動物がこうした果実を食べ、発信機が装着された種子を飲み込むか検証はまだ行っていないが、過去の経験から動物はこうした果実の採食が避けることが考えられる。したがって、国内の果実では代替調査は難しいことが分かった。やはりマレーシアに自生するドリアン属やカナリウム属、マンゴー属などの果実が本研究の遂行に適していると考えられる。 今年度は海外渡航の制限が緩和されたので、夏を目途に渡航し、野外調査を実施する予定である。調査に必要な機材はほとんど揃っているので、渡航後速やかに調査を行う準備ができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度も調査地における新型コロナウイルスの流行が理由で、渡航ができなかった。調査地マレーシア・サバ州の協力研究者に連絡を取り、代理人に依頼して本研究を継続することが可能か打診した。しかし、協力研究者が所属する組織は人員不足にあり、本研究を代理で行う余裕がないと伺った。そのため、本研究に関する野外調査は昨年度も遂行できず、本研究の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は海外渡航の制限が緩和されたので、夏を目途に渡航し、野外調査を実施する。超小型テレメトリー発信機と受信機を購入したので、調査に必要な機材はほとんど揃っている。渡航後速やかに種子散布距離に関する野外調査を行う。 当初は4か所の森林でドリアン属の種多様性や区間分布を調査する予定であったが、状況を見ながら、ほとんどデータを取り終えている2か所(タンクラップ森林保護区、カビリ・セピロク森林保護区)の調査地に限定して残りの調査を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度も海外渡航制限が設けられたため、野外調査を実施することができなかった。また、研究協力者を経由して代理人に調査をしてもらう予定であったが、人員不足が理由で断られたため、次年度使用額が生じた。 今年度は状況を鑑みながら調査国に渡航する。現地調査助手の雇用人数を増やして、限られた期間内で大規模に野外調査を実施するために次年度使用額を支出する予定である。
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