褐色腐朽菌は木造建築物の腐朽被害および木質バイオマスの糖化への応用の観点から極めて重要な生物である。本研究では他の糸状菌で知られる結晶性セルロース分解酵素を持たない本菌が、結晶性セルロースをどのように分解しているのかを明らかにすべく、申請者らが網羅的遺伝子発現解析から見いだした、3種類の結晶性セルロース分解への関与が予想されるタンパク質の解析を行った。本研究で組換えタンパク質として発現させ、糖質加水分解酵素との相乗作用や糖質結合能の知見を得ることができたこれらのタンパク質について、今後、より詳細な解析を行うことで、木材利用への応用につながる知見が得られることが期待される。
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