| 研究課題/領域番号 |
20K15572
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| 研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
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研究代表者 |
末定 拓時 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (20807028)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 広葉樹 / めり込み / 組織構造 / 有限要素法 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、広葉樹のめり込み性能について試験体寸法が及ぼす影響を樹種ごとに明らかにし、組織構造を考慮した数値解析を実施することで、広葉樹のめり込み性能の発現機構を解明することを目的とする。
令和２年度では、広葉樹の複数の樹種について小試験体および実大試験体のめり込み試験を実施し、特に材長がめり込み性能に及ぼす影響を樹種ごとに明らかにした。樹種選定の指標は道管配列と密度とし、環孔材のクリ、ケヤキ、ミズナラ、タモ、散孔材のイタヤカエデ、ブナ、カバ、放射孔材のシラカシの8樹種を選定した。材のばらつきによる影響を小さくすることを意図して、小試験体と実大試験体は可能なかぎり同じ材から採取した。小試験体については、木材の標準的な試験方法であるJIS Z 2101木材の試験方法 に準拠した試験体寸法を基準とした。実大試験体については小試験体の2倍の寸法とした。小試験体および実大試験体ともに、材長を4水準に設定してめり込み試験を行い、弾性剛性や降伏応力といっためり込み性能と試験体寸法の関係を樹種ごとに明らかにした。今回の試験範囲では、材長とめり込み性能との関係は、小試験体と実大試験体との間でほとんど同じ傾向であることが明らかになった。
また、めり込み試験体木口面の組織構造の電子画像を得るため、試験実施前に高解像度のスキャナーおよび実体顕微鏡での設定条件を検討した。さらに、これらの画像から組織構造を定量化するための手法を検討した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和２年度では、小試験体と実大試験体によってめり込み試験を実施し、材長がめり込み性能に及ぼす影響を明らかにした。また、木口面の画像取得および組織構造の定量化の手法について検討を行った。これらは初期の計画に合致したものであるため、"おおむね順調に進展している"と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、試験体寸法がめり込み性能に及ぼす影響についてより詳細に検討を行う。特に繊維直交方向の余長の影響について小試験体と実大試験体によるめり込み試験を実施する。これらの試験結果により、樹種および試験体寸法が広葉樹のめり込み性能に及ぼす影響を定量的に明らかにする。加えて、令和３年度に実施するめり込み試験体についても木口面画像を解析し、組織構造の定量化手法についての検討を進めていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは物品購入における価格変動のためである。生じた次年度使用額は物品購入費に充てる予定である。
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