木材の摩擦,摩耗,潤滑現象が含まれるトライボロジー特性は,木材の材料特性に起因して接触界面の状態が変化し続けることにより複雑な現象である。そこで,本研究課題では,木材と金属とが接触し相対運動する条件において,接触界面の状態をその場観察することで,接触界面の状態変化に伴う木材のトライボロジー特性の解明を試みた。その結果,多孔質体である木材が大きく変形し接触界面が一様になる場合や摩擦に伴う木材の温度上昇が摩擦挙動に対して影響することがわかった。さらに,潤滑物質が介在する条件においては,潤滑物質の粘性の影響を受けて摩擦挙動が変化することがわかった。
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