動物は様々な時間・空間スケールで群れを作って生活する。群れ行動とは、群れを構成する各個体間の、非常にローカルなスケールでの情報のやり取りの結果であると考えられる。本研究では超音波バイオテレメトリーを用いた双曲線測位手法を利用して、屋外環境において魚類の3次元位置情報を高精度(<10cm)・高頻度(<5秒)で獲得することにより、群れを構成する各個体間の相互作用を定量的に記述することを試みた。観察に成功した魚類の群れは、分離・集合を繰り返し、全体として緩やかな群れを形成しつつも、時折群れを崩さずに遊泳していた。本手法は、その様子を定量的に記述するに十分な能力があることが示された。
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