研究課題/領域番号 |
20K15580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021-2023) お茶の水女子大学 (2020) |
研究代表者 |
秋田 晋吾 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80828195)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 藻場 / ホンダワラ / オオバモク / ノコギリモク / トゲモク / ヨレモク / エゾノネジモク |
研究成果の概要 |
本邦の藻場を構成する主要なグループであるホンダワラ類の生殖器官(生殖器床)は損傷したあと再生するが,植食動物によって選択的に摂餌されている様子が観察されていた。この関係性を明らかにするために,日本沿岸に広く分布するホンダワラ類を採集し,葉と生殖器床の損傷と再生の程度を比較した。その結果,損傷と再生の割合は種によって異なり,生殖器床よりも葉が被食している種類の存在が明らかになった。さらに,培養により生殖器床の再生には2週間程度を要することがわかり,野外でも同様と考えられた。生殖器床の再生は,ホンダワラ類の藻場の存続と関連性が低いように思われた。
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自由記述の分野 |
海藻の生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
藻場は沿岸生態系の基盤として極めて重要であるが,近年の水温上昇により,植食動物が活発化し世界中で藻場が衰退もしくは減少している。植食動物がどのように海藻を摂餌するかについて詳細を理解する必要がある。特に,ホンダワラ類では,生殖器官が特異的に摂餌されている可能性と,生殖器官は再生能力を持つということが指摘されていた。本研究によって,生殖器官が特異的に摂餌される点は全ての種に共通していないことが明らかになった。また,同時に再生速度が遅いため過剰な摂餌圧の下ではこの能力は藻場の維持に貢献できないと考えられた。
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