本研究では、クルマエビの潜砂や摂餌、遊泳などの活動に伴う音を取得することにより、養殖における新たな尾数計数手法の開発を行うことを目的としている。 データ取得のために、赤色ライトを用いて24時間の連続観測ができる飼育システムを構築した。これにより夜行性であるクルマエビの活動について、録画と録音のデータの取得を行なった。得られたデータから潜砂や摂餌、遊泳や脱皮行動について確認し、機械学習のための教師データの作成を行なった。また、作成した教師データをもとに録音データのみを用いた場合の各活動音の自動検出のアルゴリズムの開発を行った。 ただし、夜行性であるため夜間の活動時に赤色ライトを用いた実験を行なってきたものの、ライトの光量を水槽底部までを視認できる程度にしていたため、活動確認は行えたが当初想定していたほど長時間動き回ることはなく、十分な教師データを取得するまでには至らなかった。 そのため、本年度は、上記で確認された各活動音における検出精度が低い結果となったことから、追加実験による更なる教師データの取得を行い、自動検出精度を向上させた。
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