微細藻類は窒素欠乏条件において二酸化炭素を固定して多量の油脂(グリセリド)を細胞内に蓄積する。本研究では、緑藻Chlamydomonas reinhardtiiをモデルとしてランダム変異導入によって油脂低蓄積変異株を作製し、それを用いて油脂蓄積メカニズムの解析を行った。獲得された油脂低蓄積変異株の一つであるLL-1では、窒素欠乏条件において通常通り脂肪酸の合成が誘導される一方で、グリセリドの蓄積が全く増加せず、細胞内に形成される油滴もわずかであった。LL-1のメタボローム解析により、油脂以外の有用物質生産における油脂低蓄積変異株の利用可能性についても検証を行った。
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