研究課題/領域番号 |
20K15614
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
山浦 紘一 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 准教授 (80645523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報源 / 情報伝達者 / 買い控え実行度 |
研究実績の概要 |
本研究は、情報源や情報伝達者の違いによる買い控え行動がフードシステムに及ぼす影響を明らかにすることを最終的な目的としている。具体的には、①表明選好法により情報源や情報伝達者の違いによる消費者の買い控え行動の起こりやすさ(買い控え実行度)を調査し、②情報源・情報伝達者ごとの“買い控え実行度”が直接的・間接的にフードシステムの各部門に及ぼす影響を検証する。 研究2年目となる令和3年度は、新型コロナウイルス禍での買い控え行動のオンライン調査票の作成について取り組んだ。本研究の特徴である情報源や情報伝達手段の違いをオンライン調査票に組み込むため研究初年度は文献検索を実施したが、研究2年目は新型コロナウイルス禍が収束しない社会情勢を鑑み、コロナ禍での消費者の行動を調査票に反映させるための文献検索および調査票作成を実施した。研究3年度目にオンライン調査を実施する計画である。 一方、消費者調査による買い控え実行度を組み込む応用一般均衡モデルにおいては、買い控え実行度を組み込めるようモデルの改良を実施した。これにより、買い控え実行度を推計後、シミュレーションを実施できるように準備している。 研究初年度に引き続き研究2年度もコロナ禍でのリモート勤務や教員研究室からの講義発信など大学勤務の形が従来とは大きく異なり、大分県の新型コロナウイルス対策方針に沿って研究を実施したため研究計画よりもやや遅れている。今後はコロナ禍に柔軟に対応しながら研究を実施する。具体的には、研究2年目に実施予定のオンラインによる消費者の買い控え行動に関する本調査を研究3年目以降に延期し、研究2年目はコロナ禍での変化した購買行動に対応できるオンライン調査票を完成させる計画である。この修正により、コロナ禍であるがより正確に消費者の購買選好から買い控え実行度を測定することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により大学勤務の形の変更や学部生・留学生・大学院生への対応など様々な要因から研究を行う時間がかなり限られていた。また、コロナ禍では市民の購買に関する制限や所得の大幅な減少など、研究計画申請当初は想定していなかった社会へと変貌しつつある。このような状況で従来通りのオンライン調査を行う場合、調査結果の現実との乖離など正しく消費者の態度を把握できないことが予想された。これらのことから、より現在の社会状況に即した丁寧なオンライン調査票の作成を実施するため、研究2年度は文献検索や先行研究の調査を継続している。しかし、オンライン調査による買い控え実行度を推計後に実施する計画であった応用一般均衡モデルによるシミュレーション分析を行うためのモデルの改良、ここでは買い控え実行度を組み込む形への改良を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
研究4年間での実施内容に変更はない。しかし、上記の理由からより新型コロナウイルス禍での今の社会状況に即したオンライン調査票を作成することが重要であることから、消費者調査は研究3年目に実施することとし、研究2年目は調査票の完成を目指した。また、研究3~4年目は調査を実施し、与えた情報ごとの買い控え実行度をまとめ、応用一般均衡モデルを用いた間接的社会経済での影響分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの社会影響を鑑みた消費者調査を実施するため、調査時期を研究3年目としたためである。また、諸々の国際学会に現地参加することが困難となったため次年度使用額が生じた。これについては、研究3年目以降にオンライン調査として使用を計画している。同時に研究4年目に国際学会で研究成果を発表する計画である。
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