研究課題/領域番号 |
20K15625
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
齋藤 朱未 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (20712318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 土地利用実態 / 飯舘村 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,福島第一原発事故により長期間避難を強いられた福島県飯舘村を対象として,中長期間避難の復興方策を検討することである。本研究で明らかにしたい内容は5つで,「①中長期間避難における特徴分析」と「②村民の生活実態における現状分析」,「③集落機能維持状況の把握と維持方策の検討」,「④飯舘村存続に向けた定住人口増加方策の状況分析」,「⑤中長期間避難農村の復興方策の検討」である。2021年度は前年度に達成しきれなかった「①中長期間避難における特徴分析」と「②村民の生活実態における現状分析」について優先的に把握する予定としていた。 しかし,新型コロナウィルス感染症の影響により蔓延防止等措置がとられ,現地で調査可能な期間が短かったことや,解除された後も感染防止の観点から対面での調査がはばかられたことから,2021年度においても①,②の調査内容については文献等による資料収集を行い,その傾向を把握することにとどまっている。 その一方で,「③集落機能維持状況の把握と維持方策の検討」に関連して,現地調査の限られた時間の中で,聞き取り調査等によらずに実施可能な土地利用の実態調査を実施した(長泥地区を除く)。土地利用の実態調査としては,農地であった土地について,現在,太陽光パネルが設置されている土地,除染土の仮置き場となっている土地を把握した。また,その他の農地については耕作放棄の有無について把握し,2021年11月時点での土地利用状況を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は土地利用実態を把握することで,わずかながらに研究内容を進めることに努めたが,本来,本研究は現地にて村民や行政担当者への聞き取り調査によって明らかになる部分が多く,またそれを重視している研究である。そのため,2021年度において予定していた調査内容については,文献やウェブ上で把握可能な情報を整理する程度にとどまっており,研究を進めることができていない。 このことから,進捗状況としては「遅れている」と判断している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,新型コロナウィルス感染症の状況を踏まえながら,現地での聞き取り調査を進める方針である。特に,飯舘村の担当者や村民への調査を実施できるタイミングで優先的に行うこととし,避難期間における特徴を分析するための情報収集に努める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の要である現地での聞き取り調査に向けて旅費を十分にとれるよう使用計画を立てているが,新型コロナウィルス感染症による影響で2021年度も現地に赴くことがあまりできていない。そのため,支出される用途が関連文献等の購入や文具などに限られ,使用額が少なくなっている。 2022年度については,引き続き状況を判断しながら現地への調査を優先的に行うこととし,旅費としての使用も計画的に行なっていく予定である。
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