本研究では、生育期間中の同化産物の転流動態をリアルタイムに計測可能な新技術の開発を目的とする。 2023年度は、「リアルタイム転流計測技術」のプロトタイプを植物育成庫内にて栽培しているイチゴの果柄に設置し、栽培期間を通して計測を続けその有効性を検討した。着果果実が白熟期(肥大成長期)や赤熟期であり転流が活発な時期では、転流の変動に伴いプロトタイプの計測値も変動しており、本計測技術の有効性を確認できた。一方で、着果直後の緑熟期など転流が比較的不活発な時期ではプロトタイプの計測値に対して転流変動の影響は表れなかった。果柄内の師管流束が小さい時期でもそれらの変動を計測するために、より微細な茎表面温度の変化を計測可能なサップフローセンサの改良が必要である。
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