本研究を通して血管肉腫においてヒストン脱メチル化酵素KDM2BがDNA修復機構の働きを活性化し,これにより腫瘍細胞がアポトーシスを回避していること,そしてこの機構はヒストンユビキチン化 (H2AK119ub1) を介して機能していることが明らかとなった。また,腫瘍移植マウスモデルにおいて腫瘍形成後にKDM2Bノックダウンまたはヒストン脱メチル化酵素阻害剤GSK-J4の投与を行うと,腫瘍の増殖が抑制されることが明らかになった。 さらにマウス血管肉腫細胞 ISOS-1 由来腫瘍はイヌ血管肉腫と類似の特徴を有しており,KDM2B がイヌ血管肉腫細胞と同様のメカニズムで機能していることを明らかにした。
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